自分の実力にしない

世の中は、頑張ればうまくいくような単純な仕組みになっていることは少ない。
同じくらい頑張っている二人の人がいて、一方がうまくいって、もう一方がうまくいかない、なんてことはざらにある。
結局、成功は運やタイミング次第で決まったりするのだ。
人間の人生には、自分自身では決められない部分がたくさんある。

貧困や苦境から努力によって這い上がったというのは、ドラマチックなので物語として語られやすい。
そうした成功自体はよいことだと思う。
だけど、たまたまうまくいった人がいたとしても、多くの人は不利な状況だとうまくいきにくいのは変わらない。
たまたまうまくいった例を挙げて、苦しい状況でも成功した人たちはいるんだから、
うまくいかないのは自己責任だというのは、個人を過剰に追い詰めてしまう言葉だ。
少数のたまたまうまくいった成功例を一般化してはいけない。
それは、認知のゆがみのパターンである、極度の一般化というものだ。